今回は、職業訓練校でWebデザインを学ぼうか迷っている方に向けて、実際に受講した友人から訓練を受けるまでの流れや内容、感想をまとめてもらいました。
以前書いてもらったこちらの友人になります。
・職業訓練でWebデザイナーになれなかった私がやれば良かったと思った3つの事
・Webデザインの職業訓練で面接に受かるための6つのポイント
職業訓練を受けるまでの流れと受給資格
受けるまでの流れ
- ハローワークで失業保険(雇用保険)の手続きをする
- ハローワークで希望のコースに申し込む
- 試験または面接を受ける(ない訓練校もあり)
- 職業訓練生活の始まり
まず初めにハローワークに行って、失業保険の手続きをします。
関連記事:【失業保険の貰い方】ハローワークでの手続きや給付日数を知ろう
受講資格
- 労働の意思と能力がある方
- 失業保険(雇用保険)を受給している方
原則、この2つを満たしていれば誰でも受講できます。しかし、例外もあり、これらに当てはまる場合は受講できません。
- 受講終了後、1年未満に再度職業訓練を受けようとしている方
- 雇用保険加入期間が1年に満たない方
また、職業訓練は「この人は就職支援が必要」とハローワーク側が判断した方のみ受講できます。判断基準は書類先行だけのところもあれば、面接で判断される場合もあり、私が住んでいた地域では面接がありました。
面接について以前こちらで詳しく書いています「Webデザインの職業訓練で面接に受かるための6つのポイント」
職業訓練の期間と内容
訓練期間
Webデザインコースの場合、期間はだいたい3ヶ月〜6ヶ月が多いです。
時間は、私が行っていた訓練校だと平日の朝9時半〜16時まであり、昼休憩を入れて1日6時間ありました。
16時以降は、約1時間の補講や補習の時間がある時もありましたが、帰るのも残るのも自由で、土日祝日は休講でした。
訓練内容
こちらも私が行っていた訓練校のカリキュラムを例に挙げていきます。
1〜2ヶ月目:基礎知識と技術の習得
最初の1ヶ月目はパソコンの基本的なことから、IllustratorやPhotoShopの基礎知識と技術を学びました。
そして2ヶ月目にはHTML&CSSの基礎知識と技術、基本的なSEO講習も受け、スマートフォン表示に最適化されたWebページの設計などレスポンシブ対応について勉強しました。
3〜4ヶ月目:課題制作
3〜4ヶ月目は、1〜2ヶ月目に学んだことを元に、先生から出される課題を制作しました。
テーマに基づくデザインやレタッチを行ったバナーの制作、ユーザビリティを考慮したサイトの制作、HTML・CSSの記述ルールに沿ったコーディングなど、様々な課題をクリアしていきました。
5〜6ヶ月目:卒業制作の開始
そして5〜6ヶ月目は、卒業制作となるオリジナルサイトの制作をし、最後に全員の前でプレゼンテーションを行いました。
ちなみに、私が行っていた訓練校では、現役のWebデザイナーがよく使うようなInDesignの講習や、jQueryは訓練内容に入っていませんでしたが、地域によってはある学校もあるようです。
もし、InDesignやjQueryも学びたいけどカリキュラムに入っていないという人がいれば、独学で学んで迷ったところを先生に相談するのが一番だと思います。
補足:自己負担する物もある
私が行っていた訓練校だと教科書代(1万5千円ちょっと)、訓練生総合保険4,800円+振込手数料(任意加入・勧奨)が必要でした。
これは他の訓練校でも必要になると思うので、職業訓練を受ける前に用意しておくことをおすすめします。
職業訓練でWebデザインコースを受けてみた感想
良かったところ
給付金を貰いながらWebデザインの勉強できる
職業訓練に通うことになると、失業保険の期間が延長されます。
正直、Webデザインのスキルを得ることは二の次で、給付金目当てで職業訓練を受けていた感もあるのですが、お金を貰いながら勉強できるなんてめちゃくちゃ良い環境です。
分からない箇所はすぐに先生に相談できる
独学だと、迷ったらググるか本で確認するかですが、職業訓練にくれば迷った箇所や分からない箇所は先生に確認して解決できます。「全然できない…」と落ち込むこともありましたが、励ましたりアドバイスもしてくれるので、先生がいてくれて良かったと思えました。
学割でIllustratorとPhotoShopが使える
普通に買うとお高いAdobeのアプリですが、職業訓練を受講している時の身分は「学生」になるので、学割(約半分以下)でAdobeのアプリを使うことができるんです。これは利用しない手はありません。
相談しあえる仲間ができた
職業訓練に通っている最中もですが、卒業後や就職後に相談しあえる仲間ができました。みなWebデザイナーを目指すライバルでもありますが、尊敬しあえる部分や自分には持っていないセンスを持っているクラスメイトもいたので、とても刺激になり励みにもなりました。
微妙なところ
使えるアプリが最新でなかった
私が通っていた訓練校だとAdobe関係はPhotoshopとIllustratorがCS5で、最新Ver.ではありませんでした。
最初は別にいいかなと思っていたのですが、職業訓練に通って学割で買ったPhotoshopとIllustratorのVer.はCCと最新版で、訓練校ではCS5の古いVer.を使うという不便性さを徐々に感じるようになりました。
古いVer.は絶対嫌、という人は職業訓練で使うアプリのVer.もよく確認してみてください。
モチベーションが人によって違う
職業訓練に来る人のモチベーションはそれぞれ違います。給付金が1番の目的の人と、Webデザイナーになるのが1番の目的の人とではどうしても差が出きてしまいます。
私はWebデザイナーになりたい気持ちもありましたが、当時は給付金目当ての部分も大きかったので、絶対にWebデザイナーになってやるという意思が弱かったです。
本気で職業訓練からWebデザイナーを目指すなら、仲間のやる気や気持ちに左右されずに、「自分は自分」と強い意思を保って受講することが大切です。
全員がWebデザイナーになれるわけではない
職業訓練に通ってWebデザイナーになれる人もいれば、なれない人もいます。その差は、スキルは勿論のこと、諦めるか諦めないかの差も大きいです。
未経験からWebデザイナーになるのはやはり簡単ではなく、求人に応募しても当たり前のように落ちるので、それで諦めてしまう人がたくさんいるからです。
私もその中の1人で、「出来ればWebデザイナーになりたい」という程度だったので、卒業後は某ECサイトの運営部担当として就職しました。しかし「やっぱりWebデザイナーになりたい」と後から悔いが残りました。
一方、クラスメイトの1人に職業訓練中から就職活動を積極的に行っている子がいました。その子は複数の会社に落ちていたようですが、職業訓練生の中でただ1人Webデザイナーとして就職しました。
最初から本気度が違っていたんです。
「職業訓練でWebデザイナーになれなかった私がやれば良かったと思った3つの事」でも書きましたが、本当にWebデザイナーになりたいなら、周りに流されず本気でWebデザイナーを目指してみてください。
職業訓練を受けたまとめ
「職業訓練に行ったところでWebデザイナーになれない」と言う人もいますが、中にはちゃんとWebデザイナーとして就職できる人もいます。
私の場合、卒業当初は某ECサイトの運営部担当として就職しましたが、現在は当時の仲間におすすめされた転職エージェントを経てWebデザイナーとして働けていますし、職業訓練に行って良かったと思っています。
何より勉強できて給付金まで貰えるなんて、めちゃくちゃ良い制度じゃありませんか。
私もそうですが、1人じゃ勉強なんてはかどらない、という方は選択肢の1つとして職業訓練も考えてみてください。